アス横浜歯科クリニック 荒木知佳
はじめまして。横浜市南区のアス横浜歯科クリニックに勤務しております荒木と申しま
す。
近年の予防社会において、歯科衛生士という仕事が前より認知されてきたように思いま
すが、日常で歯科衛生士と名乗るとよく聞かれます。
「何やってるの?」
「先生の隣にいる人?」
「歯医者の受付?」
私自身、歯科衛生士という仕事は素晴らしいものだと思っていますが、業務内容が知ら
れていないことも現状として感じます。なので私の方では「歯科衛生士」という職業につ
いて書かせてもらおうと思います。よろしくお願い致します。
歯科衛生士は歯科疾患の予防や口腔衛生の向上のため、歯や口腔をはじめとした全身の
健康づくりをサポートする国家資格の専門職となります。日本では80歳まで自分の歯を20
本残すことを目標とした「8020運動」、高齢になっても自分の歯で美味しく食事できる
ように「オーラルフレイル予防」等を推進していて、予防への意識の高まると共に、歯科
衛生士の活躍の場が近年、広がっています。主な仕事内容としては次の3つの業務が定め
られています。
①歯科診療補助
②歯科予防処置
③歯科保健指導
①歯科診療補助
歯科医師の診療を補助するとともに、治療に対して不安や恐怖心を持っている方に対して
安心して治療を受けて頂くようサポートすることも大切な業務の1つです。
②歯科予防処置
歯を失う原因の大部分を占めるのは「むし歯」と「歯周病」です。むし歯予防のための
「フッ化物塗布」や、歯周病予防のため、歯垢や歯石などを除去する「機械的歯面清掃」
などを行います。
③歯科保健指導
歯周病は生活習慣病であり、虫歯と歯周病は患者さんの生活習慣が大きく関係しています。
そのため治療よりも予防が大切となり患者さんが自ら予防していくために、正しい生活習
慣やセルフケアを身につけるよう専門的な支援が不可欠です。中でも歯磨き指導や年齢に
応じた歯や歯茎のケアの仕方を伝えることは大切な業務の一つです。
私自身の経験を少しお話しさせていただきます。担当させていただいてる患者さんと初
めてお会いした時の話です。とにかく小さい頃から歯医者が苦手で、予約はするものの、
当日は怖くなってしまい震えて行けなくなる、人と話すことも恐怖で、歯が見えるから笑
えなくなった、と涙ながら話していました。
私はとにかくその患者さんが、どうすれば怖がらずに・・治療を中断せずに通ってくれ
るか必死に考え、まずはコミュニケーションを中心とし、今のお口の中の現状を共有して
時間をかけてお話ししました。徐々に患者さんも治療に対して前向きになってくれ、クリー
ニングと治療を並行して開始することができました。その後治療が進むにつれて患者さん
の表情がどんどん明るくなっていき、今では治療も全て終わりメンテナンスに通ってもらっ
ています。治療が終わった頃にその方から嬉しい言葉を頂きました。
「荒木さんと早く出会えてたら私の歯はここまで悪くならなかった。もっと早く動けばよ
かった」と泣いてくれたのです。その後も予約は毎回欠かさずきてくれます。当院は担当
制なので毎回私がお会いするのですが、帰るときには
「次も見てね!」
「私が通う間は辞めないでね」
と必ず言ってくれています。
また、担当させて頂いている別の方は
「歯医者は嫌だけど会いにきたよ」
「貴方のクリーニングじゃなきゃ嫌だわ」
「毎月お話しにきたい!」
と言ってくれる方たちもいます。
小さい頃から診ていた患者さんが成長して就職し、挨拶に来てくれたこともありました。
これだけ患者さんの生活、患者さんの人生を共に歩ける仕事はなかなかないと思います。
当院の医院理念は「最愛の人に紹介したいクリニック」です。最初の頃は自身の身内や
患者さんのご家族を紹介したいと思ってもらえるような医院作りを心掛けてました。今で
もその気持ちは変わらないですが、加えて医院で出会った患者さんが最愛の人となってい
る今、私自身、毎日お友達と会うような感覚で楽しくお仕事できています。
また、さまざまな患者さんと出会ったことで、ただ単に歯磨き指導やクリーニングをす
るだけでなく、患者さんの人生を変えることができる素晴らしい職業だなと再確認し、改
めて仕事の素晴らしさに気付くことができました。
患者さんのお口の健康を通して全身の健康を守るお手伝いをさせていただけること、
患者さんから「ありがとう」と感謝の言葉を言っていただけることに日々やりがいを感じ
ています。
今後も歯科衛生士という職業に誇りを持って最愛の方達の全身の健康を守るお手伝いを
させて頂きたいと思っております。