石濱 済美
私は、さいたま市西区で30数年間石浜歯科医院を開業しております石濱と申します。
地域に密着したアットホームな中にも、最新治療を取り入れる為に私なりに頑張ってまいりました。また、私の大好きな時間の過ごし方であります美術史研究と音楽鑑賞は長く続けてまいりました。偶然居合わせた方に撮って頂いた写真も増え続けコラージュの状態にしても収まらないほどです。
「趣味をたくさんお持ちなのですね」と言われることもありますが、私自身の認識としてはむしろ少ないのです。少ない数を正確に7種と説明できるのには理由があります。一度興味を覚えて始めた趣味に飽きたことが無く不器用な性分なのです。ゆえに続けることこそが才能なのではないか? 等と勘違いしている始末であります。始めたことに飽きがこない上に新しい興味の対象が次々に現れ、次第に数が増えてそれを半世紀も続けてきたわけです。その全ての趣味に習熟しそれが日常化してきた中で、もはや私自身の一部になっていると感じるようになりました。私という存在に深く関わっている印象があり、それがなくなってしまえば自分でなくなってしまう様な気さえします。そして私という人格を構成する要素であるような気がするのです。ある時、これは単なる趣味でなく教養として身につけられているのではないかと考えるようになりました。芸術、文化等の豊富な学問や知識~所謂リベラルアーツ~。例えば映画は絵画と詩と音楽が合体したモノであると私は思います。そして教養を深め、様々な物事に精通するセンスを磨くことは、仕事にも繋がってくれると思っています。
私は延べ1万5000人の患者様に対し1500症例のインプラント治療、そして70症例のコバルトコーヌス治療を行ってまいりました。80歳で20本の歯を当たり前の様に保存できるようになりました現在におきまして、患者様に「100歳28本」の歯を維持、もしくは同等の機能をお持ちいただけるようにすることが私の責務だと考えております。ご存知の様に、身体の中で最も硬い部分が歯であります。しかし残念なことに歯そのものには自然に治癒する機能はありませんので、歯に問題が生じた場合には歯科医院にて治療を行うことになります。そして歯科医院に来院されても、失った天然の歯はニ度と歯に戻ることはありません。つまり医学的に最良と思われる人工的な歯に置き換わることになるのです。髪の毛1本でも口腔内に入れば違和感を感じるので、異物である人工的な歯を維持安定させ口腔内に装着することはとても重要な課題になります。その人工的な歯は生体親和性を考慮した最高品質でなくてはなりません。日本には名工と言われた宮大工や船大工の匠の技術があるのはご存知かと思いますが、かつて仏像を製作していた仏師が仏像に代わる木彫り義歯を製作し始めたそうです。歯科医師として、コバルトコーヌス治療の様な歯科医療を患者様に提供する為には、匠の技術によって製作された歯科補綴装置を生涯に渡り最高な状態で管理する責任があります。
500年前レオナルド・ダ・ヴィンチがあの名画モナリザを生涯自分の手元に置いて加筆し続けて最高の状態に維持した様に、私も患者様の歯が最高の状態でお使いいただける様に今後も日々精進し、やむことなき自己探求を生涯に渡り続けていこうと考えております。